« 明日はカンテ部 春の発表会 | トップページ | カンテ部発表会おわた »

2016年4月22日 (金)

カンタオーラス

なんだか1回のブログにまとめちゃうなんて、恐れ多くてもったいないお化けが出ちゃいますが、色んな事の合間をぬって憧れの方に会ってきました。
月曜はエスペランサ・フェルナンデスの講習会。

Img0422192659

エスペランサはモレナ(褐色の日焼けした肌)で明るくてはつらつとして踊りながら歌ってくれました。世界中で活躍しオーケストラとの共演などムイ・フラメンコでありながら国際的にも認められる大スターとなった今もとても simpatica 親しみやすくてセビージャのおっかさんって感じ。唄はもちろんですが、発する言葉ひとつひとつがキラキラ輝いて、歌い手の言葉というのは一片の詩のように、簡潔に、でも心にすっとしみ込んできます。そして伴奏にはミゲル・アンヘル・コルテスが!贅沢すぎたなぁ。習ったからって歌えるわけじゃないけど、CDで聞いてたのを生で聴けて感動したし、そのなんとも自然体の歌い方や佇まいを感じられてとてもいい時間だった~。
Img0422192647
そして火曜はイネス・バカンの来日公演を観にアルハムブラへ。
この日イネスは風邪のためのどの調子がとても悪く、後で聞くと注射を打ちパッチを貼って満身創痍でのステージだったよう。イネスらしからぬガラガラの声にこのまま歌い続けられるのかな、とこちらが心配になる。でも奇しくも2日連続でカンティーニャ・デ・ピニーニを聞けたりイネスのブレリアも魅せてくれて感激。
で、2部。あれ?声が出てる。幕間にはちみつた~っぷり飲んだらしい。喉もあったまったか、音響変えたのかと思うぐらい後半は声が出て来た。シギリージャ、ソレア、そして最後にマイクなし歌ったマルティネーテ。神々しかったなぁ。モジャのギターも後半になるほど乗ってきたしふたりの姿を見てるだけでもなんだか違う世界の映像を覗いているみたい。泉ちゃんがホビットみたいだね、と言っていたけれど、ホント。そういう映画に出てきそうなふたり。

生ける世界遺産、雑滅危惧種のイネスのようなフラメンコはスペインでももうあまり残っていないし、残っていてもそれが人の耳に届く機会というのは本当に少ない。タブラオや劇場で歌うのではなくレブリハに住み生活の中で歌う。フェスティバルなどに呼ばれるとヨイショと腰をあげて歌いに行くみたいな。職業としての歌手(カンタンテ)やカンタオーラというのとはまた違う。でもこれこそが正真正銘の、生粋のカンタオーラ。親から受け継いできたものを朴訥に素朴にただただ歌う。その手を宙に舞わせながら。上手いも下手もコンパスが合ってるも合ってないも、そういうものを全部とりはらって中味だけにしたカンテ。

昔アルケミストという本を読んだ。人生を求め苦難を乗り越えたり人に出会ったりしながら旅をして結局自分の探していたものはスタートの場所にあった、というような。フラメンコを始めて、色んなものを見たり聞いたり、感動したりしなかったり、それを入れたり出したり、反芻したり咀嚼したり排泄したり。まわりまわって再び辿りつくような。余分が何もなく水とか空気みたいにただそこにある。まったく違うようだけど自分の中にもいるような。
自分に還る。飾りを捨てていく。
タイプは違えどそれぞれ極みに立つふたりのヒターナ、ふたりのカンタオーラが教えてくれる事。
フラメンコはその瞬間、生き方、生があるという事そのものだなと感じます。

« 明日はカンテ部 春の発表会 | トップページ | カンテ部発表会おわた »

フラメンコいろいろ♪」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: カンタオーラス:

« 明日はカンテ部 春の発表会 | トップページ | カンテ部発表会おわた »

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ