どこまでもフラメンコなひと
日曜日はお友達バイラオーラYちゃんと恵比寿のサラ・アンダルサへ。
19:00はエンリケ・エストレメーニョ、21:00はマヌエル・タニェの今回の最終ステージでした。で、気合いの入りまくった出演者たち。まずは19:00の部でエンリケのカンテとサライのタラントにノックアウトされてしまった私。お財布的にはかなり厳しかったけれど、やっぱり我慢できず21:00の回まで見る。
客席に余裕があったので2部は珍しく一番前のテーブルに移動することに。会場で会ったもうひとりのお友達フラメンカYちゃんを交え、1部の興奮さめやらずわいわいとフラメンコトークに興じる私達。と、出番を終えたエンリケお父さんがやって来てみんなでつまんでいたエビのアヒージョをパクリ。「うん、うまい」と言って去っていった。。。
と思ったら自分の飲み物を持って戻って来た(笑)。という訳で、エンリケ・エストレメーニョと1番前の席で一緒にライブを見る、というなかなかないシチュエーションに。大御所エンリケ師匠を目の前にして出演者の皆さんとしてはなかなかヘビーな状況。
まずはサライのソレ・ポル。若手なのにすごいフラメンカ、大好きな踊り手さんです。
でも、まぁ何よりすごかったのがタニェのカンテ。この人の唄がいちいち良過ぎて会場全体がオレ連発モードROCK ON。隣のエンリケ氏にいたっては「オレ○ーニョ」と放送禁止用語を連発しています。チキショーバカヤローを連発する江戸っ子と同じく最高の時には悪気なく悪態をつくアンダルシア人。1曲目にして会場はアンコールのような盛り上がりっぷり。
そして、2曲目タラント。タニェの唄、さらに凄い。目をつぶったまま大汗をかきながら体中から感情を振り絞って歌う姿にハレオ(掛け声)をかけまくっていた隣の大御所お父さん。「あいつの顔見てみろや~。あいつは本当に最高の歌い手だ。いつも全力で歌うんだ。タラントの時、俺の大切な唄を歌ってたんだよ。悲しくて涙が出るから歌うなと言うのにいつも歌うんだよ。」笑いながらも目が真っ赤。。。
そしてセルヒオの変幻自在のアレグリアス。もう既に野獣と化しているタニェが吠えて、セルヒオがそれを拾ってレマーテでぬける度に会場全体から湧きあがるハレオ。永遠に続いてほしいと思えるような幸せな時間。セルヒオもタニェもどんどんどんどん出てきてフラメンコが止まらなくなってます。
もちろん、エンリケ父さんはそんなセルヒオの自由いっぱいの踊りに笑いが止まらずゲラ状態。「あいつの踊りはモダンなんだけど昔の踊り手の良いエッセンスがあるんだよ。味があるなぁ。いいなぁ。懐かしいなぁ。あれはいい踊り手だな~。」と褒め称えたながらここにはとうてい書けないような悪態でハレオをかける(笑)。私はもう舞台上もお隣の人の反応も楽しくて楽しくてず~っと笑ってました。
終わった途端「オレムイビエン(最高)」と一番前で立ち上がったエンリケ氏とともに会場惜しみないスタンディング・オベーション。本当に素晴らしいライブでした。イベリアの皆様本当にありがとうございました。
それにしても笑い、涙して、叫び。私の周りには可愛いフラメンコおばかな人が少なからずいるのだけど、その中でも群を抜いているのがカンテ界のドン、エンリケさん。こんな風にフラメンコを愛して生きている人もいないなぁ、といつも思います。
そんな師匠の終わった後のひとこと「マキ、本当にいいフラメンコを見ると泣いて笑って俺はもう疲れるわ。」
もう何か可愛くて可笑しくてこの日は本当に笑いました。フラメンコは踊りでもギターでも唄でもなくて人そのもの、生きている事そのもの。大げさなようだけどホントそう感じます。タニェとエンリケが全身全霊で見せてくれたフラメンコ、本当にありがとうって思います。
フラメンコな野獣さん達は「また絶対来るからな」と言ってます。再会を信じてしばしのお別れ。
« 5月のライブ♪ | トップページ | 「人魚の姫」公演! »
「マキ日記」カテゴリの記事
- 秋の菜園日記(2024.09.17)
- 観葉、そして秋菜園始まる(2024.09.12)
- ずっと欲しかったもの(2024.09.06)
- 台風なう(2024.08.29)
- 今さらながら(2024.08.22)
コメント